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開窯100年を超える松谷窯。 窯の場所近くが「小松谷」と呼ばれることから名付けられた。 代々続く京焼の名窯のなかでも、佳き使い手たちに長く愛され、 京料理の粋を支える器を「現代でもつくることができる」と言われる、 数少ない窯のひとつである。

叶 道夫

三代 叶 松谷

叶 道夫
Kanoh Michio

二代松谷の長男として京都に生まれ、京都市立芸術大学陶磁器専攻卒業後、父・二代松谷の元で家業に従事しながら、六代清水六兵衛氏に師事。
二代松谷没後、三代松谷を襲名し現在に至る。
在学中より日展を中心に創作活動を続け、日展特選(2回)、日展会員賞等多数受賞を重ね、日展他審査員を務める。
また、母校の京都市立芸術大学では後進の指導にあたってきた。
2015年に京都府文化賞功労賞を受賞。京都伝統陶芸家協会の理事を務め、京都の伝統陶芸を後世に継承する為に尽力する。
技術の大切さと、伝統の重みを深く強く踏まえ、またその一方で今日的な陶芸の可能性を切り開くべく日々挑戦を続けている。

陶歴
1948
二代 松谷の長男として生まれる
1971
京都市立芸術大学美術学部工芸科陶磁器専攻卒業
1973
六代 清水六兵衛先生に師事
1979
日本新工芸家連盟創立会員となる
1990
京都府南山城村に登窯を築く
2000
三代松谷襲名
2005
第37回日展審査員(2009年・2014年・2018年・2021年にも就任)

京都伝統陶芸家協会理事 / 日展特別会員 / 日本新工芸家連盟副理事長
京都工芸美術作家協会監事 / 元京都市立芸術大学教授

受賞歴
1974
仏バロリス国際陶芸展グランプリ名誉大賞
1978
府展 選抜賞
1979
中日国際陶芸展外務大臣賞
1990
日展 特選「黎」
1998
日展 特選「赫櫂」
2007
日展 会員賞「翠滴」
2011
日本新工芸展 内閣総理大臣賞「玄瞱」
2015
第33回京都府文化賞功労賞
展覧会
1979
フィレンツェ国際陶芸展
1983
日本新工芸展
1988
日本新工芸オーストラリア展
1993
髙島屋京都店にて叶道夫個展
2000
各地で三代松谷襲名展
2006
銀座 和光ホールにて個展(2014年・2020年にも開催)
2008
髙島屋横浜店・京都店にて還暦記念展
野村美術館にて松谷三代展
2010
髙島屋京都店・中国上海環球金融中心にて天野喜孝、夢枕獏と三人展
2012
日本橋三越本店・髙島屋京都店にて「開窯百年展」開催
2014
京都市立芸術大学退任記念展開催
2016
日本橋三越本店・髙島屋京都店にて「新たな百年に向けて」開催
2018
髙島屋大阪店・京都店・新宿店にて天野喜孝、夢枕獏と三人展
2020
日本橋三越本店にて「襲名二十周年展」開催
日本博工藝二〇二〇に選出され出品
野村美術館にて「東海道五十三次茶盌完成記念展」開催
銀座 和光ホールにて「襲名二十周年展」開催
2021
髙島屋京都店にて個展
その他(本・テレビ出演等)

BSフジ(2021)
「松下奈緒の京都美食の細道」
NHKBSプレミアム(2021)
「みやこびと 極上の遊び~京都 春から夏ふたたび~」
KBS京都、BS11、TOKYO MX(2021)
「京都画報『初夏・京料理を支える匠の技』」
NHKBSプレミアム(2020)
「みやこびと 極上の遊び~京都 夏から秋へ~」
BS朝日(2015)
「幸福の一皿」
BS‐TBS(2012)
「檀れい・名匠の里紀行」
読売テレビ(2012)
「遠くへゆきたい・高島礼子」

パブリックコレクション

外務省
京都府
京都市
京都国立近代美術館
京都市京セラ美術館
京都迎賓館
野村美術館
フランス・バロリス美術館
伏見稲荷大社
武蔵野坐令和神社

叶松谷のはじまり

『繍彩草花水注』

初代 叶 松谷(謙一)

兵庫県淡路島に生まれる。
焼き物を勉強する為京都に上京し、五代清水六兵衛氏に師事し、松谷窯を開窯。
主に割烹食器を中心に制作する。
陶芸技術の研鑽に励み、その優れたロクロ成形技術をはじめ、堅実な作陶技術の保持者として、1941年に第1回陶磁器芸術技術保存作家に指定される。

戦後、新たな清水焼を目指して

『捻祥瑞意大鉢』

二代 叶 松谷(哲夫)

初代松谷の二男として生まれ、父・謙一及び叔父・叶光夫(元日展評議員)に師事。青年作陶集団改め走泥社の結成に加わる。
初代松谷没後、二代松谷を襲名。食器に加え、茶道具も作る。
伝統工芸士に認定。
京都府伝統産業優秀技術者賞受賞。

次の世代へ受け継ぐ

窯嗣 叶 具夫
Kanoh Tomoo

三代松谷の二男として生まれる。同志社大学卒業。
京都府立陶工高等技術専門校、京都市工業試験場修了後、父・三代松谷に師事し、家業に従事する。
創作活動として2010年より個展を開催。
2016年京もの認定工芸士となる。
京都陶磁器協会評議員
京都伝統陶芸家協会二凌会会員
工人会員